学会長挨拶

               「選択する未来」

玉垣先生

 

 

 

 

神奈川県立保健福祉大学

玉 垣   努

 

第16回神奈川県作業療法学会が2017年7月2日(日)、神奈川県立保健福祉大学(横須賀市)で開催される運びとなりました。
1965年に理学療法士及び作業療法士法として整備されて約50年が経過し、その時代各々で、「作業療法のアイデンティティ」や「作業療法の核」が問われてきました。近年の作業療法を概観すると、大きく2つの流れがあります。一つは理念や理論の充実、二つ目は身体機能改善に向けた具体的なアプローチ法の充実です。共通する課題は、作業療法の有効性や特徴を、他のリハビリテーション職種と協働し、如何に提示できるかです。将来の目標を医療領域や福祉領域で「価値ある作業療法の提供」とするならば、作業療法士だけの自己満足だけではなく、リハビリテーション関係の他職種に加えて、一般市民や厚生労働省に認められることが今後の重要な課題です。
そこで、今回の学会のテーマを「選択する未来」として、既に県下の作業療法士の皆様に協力を頂いて、着々と準備を進めている状況です。
平成28年4月の保険点数の改定や作業療法士協会主導の「生活行為マネージメント」の推進など、一人の作業療法士として覚悟を決めて実行しなければならない時期となってきています。
熟練者も新人もこだわりなく、同じテーブルに着き語り合い検討して欲しいと思っています。日頃より実践している臨床の成果や悩み、研究成果などを、地元の忌憚のない交流の場として是非発表していただきたいと思います。そこからもっと発展できる発想や人間関係や連携なども期待しております。特に若い県士会員の皆さんは、卑近な挑戦場面として是非発表をしてください。発信することの難しさと楽しさを味わうことができるでしょう。発表することで、何気なく臨床で実践していることに、改めて理解が深まることが多いのです。
本学会が、近年のリハビリテーションを取り巻く厳しい環境の中で、より価値のある作業療法を選択するための一助になれば良いかと考えています。
学会開催地が三浦半島の豊かな自然環境と基地を配する横須賀の地です。過疎という問題もあり、地域住民の方にも参加いただけるよう「地域における生活支援」というテーマで、一般公開講座を行う予定です。より一層の作業療法のご理解に繋がれば良いと願っています。